エアギターで腕が攣る

無題

10/30 10:40

しばらく順調に回っていた生活がまた回らなくなってきた。洗濯物や洗い物が溜まり、掃除が滞ると、それらに足を取られ、頭の容量を取られ、いいことが何ひとつとしてない。どこかしらでグッと踏み込んである程度修正をかけるタイミングが必要になるのだが、全くその余裕がない。こうなる前にちまちまと踏ん張るタイミングを作っておけばよかったと思っても後の祭りなので、大人しく踏ん張るその時を見計らうしかない。

家の近所に金木犀の木が大量に植えられている場所がある。数本なんて可愛いものではなく、アパートが丸々ひとつ建つような土地に、まるで果樹園のように30本近い金木犀の木が植えられている。

毎年秋口になるとその金木犀園から香気が溢れ出す。本来ならふわりと街角で感じ取るその香りにさりげなく風流を感じるようなものだが、ここまでの物量で香ってくると風流もへったくれもあったものではない。甘い香りのフルスイングっぷりに思わず笑い出しそうになりながらも、どこか憎めずにいる。俺が様々なあれこれを経てもなお未だに引っ越すことなくこの場所に住んでいるのは、きっとこの金木犀のちぐはぐさに愛着があるからな気がしている。

金木犀の花が地に落ちて朽ち始めると、グッと土の匂いが湧き立つ。生と死のコントラストが目に眩しく、鼻に刺さる。ちょうど今はそんな時期である。